【アートコミュニケーター講座、終了しました!(報告:前編)】
11月20日(土)・21(日)の2日間、福井市美術館[アートラボふくい]を会場に開催した「アートコミュニケーター講座」(AsC主催)の様子を報告します。
1日目はシンポジウム「“アートコミュニケーター”について学ぼう!」。まずは福井でキリグ子ども美術館アートコミュニケーター(キリグー)として活動してきた3人の方から、実践事例をお話いただきました。進めていくうえでの個人としての悩みや迷いも含め、率直に語ってくださったのが印象的でした。
次に、ゲスト講師の伊藤達矢さん(東京藝術大学特任准教授)から、東京都美術館と東京藝術大学の連携により2012年から実施している「とびらプロジェクト」について、ご紹介いただきました。
とびラー(とびらプロジェクトのアートコミュニケーター)の活動や運営の仕組み、とびラーの活動から生まれたプロジェクトなどについて、映像や写真も用いながら具体的に説明していただきました。
とびラーは多様な年齢層、職業の人びとで構成されており、日ごろの生活や仕事の場で感じて言える課題は人それぞれ。そのような多様な人びとが、社会的な枠組みを超えて集まり協働することで、様々な課題にアートの力が活かされる可能性が広がることが、実感を持って理解できました。
旧来型のコミュニティが希薄化し、孤立・孤独が生じやすくなっている現代において、アートを介したコミュニティが求められていること。
そして、アートコミュニケーターは、美術館の作品鑑賞のお手伝いではなく、アートを介したコミュニティを形成する人々であるということ。
このような伊藤さんの力強く明解なメッセージは、福井で活動するキリグーにとって活動の意義を再確認するものとなったとともに、活動に参画していない人々にとっても、それぞれの立場から何ができるかを考える契機となったことでしょう。後編に続きます。