2022年2月15日(火)、ハピリンホールにて「アートプロジェクトセッション」が開催されました。AsCスタッフが運営スタッフとして参加、当日の様子を報告いたします。
講演テーマ「芸術は祝祭だ-地域をひらくアートプロジェクト」
講師:加藤種男 氏
前半は、加藤氏と福井県とのつながりをお話しいただきました。過去に訪れた福井県内各所の印象、支援した実例のほか、近年の三国、河和田、大野の地域の取り組みも紹介してくださいました。
トークセッション
登壇:加藤 種男 氏・朝倉 由希(ファシリテーション)
会場からの質問を交えながら、芸術文化の主体は市民でつくりあげていくものや各セクターの連携によってつくられていくことや、芸術文化の価値が理解されにくさ、河和田アートキャンプのアートプロジェクトを事例に、答えのあるものではなく、話し合うことそのもの自体が大切であることなどをお話いただきました。
グループディスカッション
坂田 守史 (ファシリテーション)
参加者は3テーブルに分かれて、以下のディスカッションテーマについて議論を行いました。
①芸術・文化にふれることは、自身にとってどのような影響があるものと感じていますか?
②芸術・文化を楽しんだり、学んだりするのに、こんな機会が地域に増えるといいと思うことは?
③芸術・文化活動をされている方で今かかえている課題や、こんな支援があるといいと思うことは?
それぞれの思いを付箋に書いていただき、模造紙に貼りながらテーブルごとに話を深めていきました。
グループディスカッションでの意見まとめ
●芸術・文化に触れることでの自身の影響(青色の付箋の意見)
・他者を理解しようとする理解度が増す。
・他者への理解。
・歴史への理解と未来の想像。
・人との交流。
・浄化
・自分の人生になくてはならないもの。作品だけでなくアーティストの生き方を学びたい。
・喜怒哀楽を感じで人間らしくなる。
・自分の世界を広げる。
・気づきと深化で人生がよりおもしろくなる。
・心の安らぎで幸せな気持ちになる。
・自身の創作のヒントや掘り起こし。
・アイデンティティの明確化。
・健やかな精神を獲得・維持するためになる。
・今を忘れることができる。
・絶体絶命時の突破口。
・自分の振り返り。
・日常の体験の一つ。
・言語を必要としない方法で共感し合うツール。
・文化は人を元気にできる。人を癒やすことをできる。
・アートに触れることで無心になれる←→時間哲学的に集中して物事を考える時間になる。
・刺激・生きがい。
・アイディアに行き詰まった時、ヒントを得る。作家が何を考え表現しようとしたのか想像すると自分の頭がほぐれる気がする。
・超個人的な思索の場。
・時間を忘れ、自分の時間として幸せに過ごせる(自由な時間、拘束されない時間)
・気持ちが豊かになる。
・新しい発見、多種多様なものの見方を知るチャンス。
・人のつながり→多様な考えに触れる→自分自身について考える・社会について考える。
・知らなかった世界を知ることができる。心の振れ幅が大きくなる。
・調和。
・政策を仕事にするとよくわからなくなってきた。
・自分の意識・想像力を膨らませてくれる。
・未知の世界を知る、考えさせてくれる。
・人生そのものへの影響を受けたので芸術文化を一つのライフワークとしていろいろな国や人々とつながって行けるもの。
・感覚や感性を確認する。
・整えるみたいな感じ。
●芸術・文化を楽しんだり、学んだりするのに増えてほしい機会(黄色の付箋の意見)
・地元の歴史を深く学べる場。
・実際にアーティストと協働できる場。
・芸術家と話をしたりふれあいができる場がほしい。ワークショップや野外展覧会など。
・無目的で(深く考えずに)共有できる場所。
・さまざまな人の話を聞き、話をする場。
・多様な役割をもつ場所。
・セミナーや講座がすぐに分かる、申し込めるサイト。
・カウンターのあるカフェ。
・マルシェ的なワークショップ。
・知らないうちに芸術・文化にふれることができる機会がある、身近に感じることができるもの。
・若手・高齢でも現在進行形で創造制作をしている方とのアート体験の場。(一般の方が表現者の目線・視点にふれる)
・時間に捕われなくアートにふれる場所、シンボル。
・公園に遊びに行く感覚で身近な場所で絵を描いたりものをつくるワークショップに参加できるといい。
・高校や大学に芸術科が欲しい。芸術的な学生がいる金沢や京都・東京がうらやましい。
・主体的に文化芸術活動を進めていける団体・組織の構築・育成支援。
・美術館の無料開放日。
・子どもたちやふだんアートに触れる機会のない人に身近に楽しんでもらえる場の提供。
・アーティストと生で語り合える中規模イベント、ハピリンなどで開催してもらえるとありがたい。
・アートを鑑賞するのに補助線となるような解説をしてくれるツアー、見学会、おはなし会。
・表現者(音楽・美術など)との対話・交流・意見交換できる場づくり。
・まちながで気楽にアートに楽しめる拠点、サードプレイスづくり。
・県内のエリアごとにギャラリーや音楽練習室の整備。
・発表の場の支援。
・会場などへの移動支援(不便な地へのバス手配など)。
・アートだけでなくサブカルチャーのようなものでもいいので、地域の身近な場所にふらっと行って触れられるとよい。
・1人で作品を見るだけでなく、いろいろな人と一緒に見て語り合える機会があると楽しくなりそう。
・アーティストレジデンスのように地域の中で、作品を作る場をアーティストと地域の人とが触れ合える場所。
・異質なものに気軽に(ハードルの低い)ふれてもOKという場所があるとよい。
・例えば「市民芸術展」の「作品」は全てアート?
・芸術って何?って考える場。
・もっともっといろいろなワークショップをしたい。
・アーティストと子どもたちが交流して一緒に作品をつくる機会が増えると良い。
・行政的に言うと、地方行政は何もしていない様にかんじる。地域に文化財があっても調べもしないし、重要とも思ってないように見える。
・芸術文化に対する学び合う所、例えば学校のようなものが極端に少なすぎる。そういう機会を作りたいと考えている。
・文化・芸術の言葉の定義・多様性を語る。
・自分のことを話したり、いろんな人と出会う場・時間。
・インターナショナルに学び合う。
●芸術・文化活動での課題や必要と思う支援(赤色の付箋の意見)
・芸術活動を平均的なものにしようとする人たちがいる。例えば役所とか?とんがりが欲しい。
・廃校などを芸術・文化で利活用する支援。
・気軽に使える場、他の人と交流できる場。
・文化協会員の高齢化と減少。
・1人でも参加できるアートワークショップ。
・ビジョンを実現するための経済的効果があるという分析サポート。
・芸術・文化をより多くの人に自分の身近なものと感じてもらえるような場を提供する。
・大がかりではない、小がかりなアートとのつながりの場。
・首都圏から地方に移住し、制作活動をしているが、地域の方の中で創作に関わる意欲のようなものを感じにくい。全ての方が表現者になることの価値を多くの人が認識できるような仕組みづくりはどうしたらよいか。
・地域の中に埋もれた芸術や文化の発掘。
・芸術文化の好きな若者をサポートできる場所を提供したい。
・さびれる町を元気に明るい町にするために地域の皆様と喜んで。
・設計の段階でバリア・ギャラリーの建物である事
・数字による指標への対抗手段。
・年代・世代を越えて話せるミーティングの場。
・駅前のみに支援があるのはおかしい。
・活動拠点が欲しい。固定費の負担補助。
・芸術・文化活動をされている方への経済的支援・活動の場の提供。
・専門性の維持・確保。
・核となるアートスポット。
・自分の作品を地域の人と分かち合える機会を。
・拠点に集えるフラットな場所(安価でオープンな公共交通で行ける場所)
・SDGsや障害にアートをくっつけることがつらいと感じる。
・誰でもみんなが関われる機会。
・情報が埋もれている。
・マッチング制度、活動したいアーティストと活動してほしい地域の人。
・学校教育で美術活動をしている先生を応援して欲しい。丹南高校がなくなったことでアートを学べない。学べる高校を失った。
・観光目的でないと予算つきにくい、観光目的だけではないのではないか。
・課題としては財政的なものが多い。資金的に毎年度ごとに不安な状態で取り組まざるを得ない。
・芸術やアートの領域とはなにか?クラフトとの違い。
アートプロジェクトセッション開催概要
開催日時:2022年2月15日(火) 13:30〜16:00 参加無料
会 場:ハピリンホール
参加定員:50名
参加人数:30名
タイムスケジュール
13:00 受付
13:30 開始
13:35 講演・加藤種男 氏
14:35 トークセッション
(ファシリテーター:朝倉 由希 氏 )
15:30 グループディスカッション
16:20 終了
アートプロジェクトセッションとは
アートプロジェクトセッションは、アートプロジェクトの活動団体や支援団体、芸術文化に関心のある地域の方々とともに、セッションを通じてこれからの福井県の芸術文化のあり方について考えていく取組みです。
地域にとってのアートをあらためて見つめ直し、新たなアートプロジェクト創出や活動の発展につながる学びと対話の場を育んでいきます。
主催:福井県交流文化部 文化・スポーツ局 文化課
企画・運営:アーツ&コミュニティふくい(AsC)