10/29(土)「伊藤達矢さんによるアートコミュニケータ講座」&11/19(土)大月ヒロ子さんの「クリエイティブ・リユース」講座の全2回で開催しました『アートコミュニケータ養成研修 in ふくい』は無事に閉幕いたしました。
お礼が大変大変遅れてしまいましたが、ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
また、ご興味を持ってくださりご連絡いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
今後も継続して福井のアートコミュニケータを一緒に考え動き楽しんでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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10/29(土)「伊藤達矢さんによるアートコミュニケータ講座」のご報告
昨年にひきつづき伊藤達矢さんに、今回は福井駅前(福井市)のSUMUをお借りして、東京からオンラインでお話いただきました。
伊藤達矢さんは東京都美術館×東京藝大のアートコミュニティー形成事業、アートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインプロジェクト「とびらプロジェクト」の立ち上げに尽力され、全国で広がっているアートコミュニケータの活動を牽引されています。
さらに活動は多岐に渡り、現在は「芸術と福祉とテクノロジーの融合による誰もが孤立しない『共生社会』」を作るアートコミュニケーション共創拠点のプロジェクトリーダーもされています。
講座の参加者は、福井で長くアートプロジェクトを行っている方から、拠り所のような本屋の店主さん、アートや哲学に深く関わる幼児教育を実践している方、行政の立場から芸術文化に携わる方、AsCの会員さん、すでにアートコミュニケータとして活動している方、福井のアートコミュニケータ・キリグ子ども美術館の皆さん、さまざまな方にお集まりいただきました。
福井だけでなく、近隣の金沢からも、遠くは青森からもオンラインでご参加いただきました。
伊藤達矢さんから「とびらプロジェクト」で大事にしている、「きく力」や「この指とまれ方式」や「そこにいる人が全て式」について丁寧にご説明いただきました。これらの仕組みでとびラー*がいきいきと能動的に動けているのだと得心しました。
そして、忘れてしまいがちなのが「終わりを決めるはじめ方」だと思いました。はじめにこうなったら終わろうと決めておけば、終わってまた「この指とまれ方式」につながり、内容も人もどんどん回って動いていけます。ハッとしました。
とびラーを卒業しても(とびラーは任期があり3年で卒業)、個人の生活の中で職場で、さまざまな場所でつながり広がっていくのだなあと大いに納得しました。
とびラー*は「とびらプロジェクト」のアートコミュニケータの愛称
(もっと詳しく知りたい方は伊藤達矢さんの共著『美術館と大学と市民がつくる ソーシャルデザインプロジェクト』をぜひ!)
同じ場所にいる隣の人とゆっくりと時間をかけて対話し混ざり合いはじめてみる。
こういうことが起こるのが、アートに関わる機会や場所だからこそなのだということも改めて確認することができました。
自分自身の心も体も気持ちよく使って、考えることを諦めないで、小さなことから動いてみて、変化を楽しんでみる、丁寧に続けてみる。これを大事にしていきたいと改めて強く思えた講座でした。
アートコミュニケータになるのではなく、アートを介してみんなの中にあったものを開いて少しずつつながっていくこと、わたしたちの未来に自分たちの足で進んでいけるようで勇気をもらいました。
というわけで、今まで「アートコミュニケータ養成研修」としていましたが、養成ではないので今後は「アートコミュニケータ研修」とさせていただきます。
報告:浅野桃子
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伊藤達矢 ITO Tatsuya
東京藝術大学社会連携センター特任教授
1975年生まれ。東京藝術大学大学院芸術学美術教育後期博士課程修了(博士号取得)
東京都美術館と東京藝術大学の連携によるアートコミュニティー形成事業「とびらプロジェクト」および、上野公園内に集積する9つの文化施設を連携させたラーニングデザインプロジェクト「Museum Start あいうえの」では、プロジェクト・マネージャを勤め、多様な文化プログラムの企画立案に携わる。共著に『ミュージアムが社会を変える〜文化による新しいコミュニティ創り』(現代企画室)、『美術館と大学と市民がつくる ソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎)等。
「とびらプロジェクト」
https://tobira-project.info/
「『共生社会』を作るアートコミュニケーション共創拠点」
https://kyoso.geidai.ac.jp/
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